2013年5月23日木曜日

100円家事代行の想い出   ~故人との会話~

どうしても相談にのって欲しいと依頼がありました。
お客様のご自宅は戸建で、リビングに伺うと遺影と祭壇がありました。

「今週末に主人の葬儀があるんです。
 自宅で看取ったんですが、最期の時に壁に汚れがついてしまいました。
 このままではお客様をお迎えする事ができません。
 誰にお願いしても掃除をしてくださらないんです。
 どうか助けてください。」

壁には斜めに赤い染みがついていました。
私は見積もり後、壁の掃除を始めました。

壁の掃除の間、お客様は亡くなられたご主人の話を始められました。
掃除は2時間かかりました。

掃除の最後には懐かしんでいた話がいつしか
ご主人への不満になっていました。

「まったく。本当に迷惑な話ですよ。
 あの人はいーっつもこうなんですよ。本当にまいっちゃう。」


お客様の顔は見積もり時には強張っていましたが、
いつしか温和な顔へと変わっていました。
サービス終了後にお線香をあげさせて頂きました。

「本当にありがとう。これで葬儀の日を迎える事ができます。
 急な事で何がなんだかわからなかったんですが、
 今日は主人と話ができたような気がしました。ほっとしました。」


私が壁打ちとなっての故人との会話   
御用聞きとしての新たな責務を感じたサービスでした。

御用聞きのreboot   ~会話で世の中を豊かにする~