2013年6月3日月曜日

経営者としての考察   ~ 御用聞きの沿革と今後の経営方針について~

2011年、株式会社 御用聞きは
「 5分100円 家事代行サービス 」の提供を開始しました。
翌年暮れには光が丘団地に「 団地の縁側 」を構え、
≪ 地域の誰もが週に1回利用できる家事代行 ≫ として、
団地にお住まいのお年寄りを中心として、
生活上の様々な不便や負担を低料金で引受けると共に、
コミュニティでのコミュニケーションや憩いの場を提供することで、
『 地域を良くしたい 』『 地域の課題を解決したい 』という想いの下
事業をスタートしました。

開業当初からコミュニティでの反応は良く、マスコミにも取り上げて頂きましたので、
サービスそのものは順調に拡大することができました。
しかし、時が経つに連れ、家事代行サービスで顧客基盤が拡大しても
収益性がついて来ないことが明確になりました。
その対策として、サービス料金を上げれば、採算を向上させる道は開けます。
しかしながら、お年寄りのお客様が多い中、料金を上げると
お客様にとって当社のサービスが利用しにくくなってしまい、
冒頭に掲げた開業の理念が貫徹できなくなってしまいます。

そこで、2012年の後半、5分 100円 という家事代行サービスメニューは
堅持しつつ、家事代行サービスの社会性・公共性の維持拡大と、
派生サービスの追求による収益性の確保という、
二兎を追っていくための新たな経営戦略と仕組みづくりを行いました。
その結果が、「 地域活性化 」「 お年寄りの生活向上 」を目的とする
家事代行サービスのNPO化と、株式会社御用聞きによる
「 マーケティングサービス 」「 コミュニティサービス 」への展開です。

当社は、お客様だけでなく、ご支援下さる全ステークホルダーの皆様への
感謝の気持ちをひと時も忘れません。
2012年12月には新たな株主より出資を頂くこともできました。
経営者として、改めて身の引き締まる思いです。

幸い、この新戦略によって、各地の自治会やボランティア団体との連携が始まり、
社会的活動は充実し始めています。
こうした進化を背景として、ソーシャルビジネス、
そして潜在市場としてのシルバー層に注目する企業とのリレーションも増え始めました。
収益力強化についてはまだまだオペレーションのあらゆる側面について改善の繰り返しであり、日々の努力を続けていますが、前途にははっきりとした目標が見えています。

私たちはソーシャルベンチャーです。
様々な仕組みを駆使して地域を良くしていきます。
住民の生活に活気を加え、地域の抱える色々な問題の解決に
微力ながら貢献していきます。

ご支援くださるステークホルダーの皆様にはそのご期待に応えつつ、
アナログの会話で世の中が豊かになる時代を創るのが
私たちの使命であると肝に銘じております。

皆さまには今後とも、御用聞きをよろしくお願い申し上げます。


2013年5月
株式会社御用聞き
代表取締役 古市 盛久